Maegaki (まえがき)
上手く逃げおおせたと思っても 夕暮れ時の影みたいに付きまとう不確かさは自身の背丈をこえて もはや死神の類いだ心ならずとも流れ流れて どうせ戻れなどはしないのだ自身の弱さや不成功を顧みる 青の時代はとっくに過ぎたのだひぐらしの声が 遥か遥か遠く風が吹けば飛ぶよな、惨めな決意だが触れたくても触れられないもの 消したくても消せはしないものどっからどこまでが自分で どっからどこまでがあんたで
懐かしい感傷と呼ぶには 煤けすぎた失敗達と行こうか行かざるかにあえぐ これからのあんたへ捧ぐ