Senpūki (扇風機)
心はささくれ 束ねつけた君との約束薄紅色の空は カラスは遠く燃やした
無機質な音を立て続け骨ばった扇風機 僕の部屋の片隅遠く遠く遠く遠く カーテン揺れる巻き込まれて首飛ばし
一先ず今日を乗り越えられそうにもない でもない 今に吐きそう残るのは僕の小さな息
知らない街の女の子の背に骨ばったこの指 届くはずもないのにそっとそっとそっとそっと 汚い指で回して切り取った
ぐるぐる回る 何にも考えずざらら ざらら 外で雨が降る酷い顔で吐いたものは冷えて湿った白い息
無機質な音をたて続け骨ばった扇風機しくじった夢揺らすひとつ 千切って飛ばす巻き込まれて消えていく
小さな呼吸止められもせずにずるる 日々を引きずって「呼吸を、呼吸を、呼吸を、呼吸を」かすれた声で扇風機は歌う