Megitsune (メギツネ)
桜 飽く皿カラカラ杯 次々 乾杯して薬売り海の花の簪 頭に傘差し 下駄にだらりの帯 ゆらり踊り踊り 小鳥のさえずりおこぼいあの子も今はもうえずくろしい黒い 影 ウソに紛れ毛づくろい 雌風呂に 寝袋インはんなり でハングリー勘繰りの一見さんお断り二本足 追って 追って待って だって 触っちゃ駄目ですからオジサマ こちらからいらっしゃいもう直 解るから ってカランカラン鳴らして 君明日あらぬ乙女らはオモテなし ウラがあり憂さ晴らし ここで、はい。ダッチ交代
尾ッポ ソット隠シ白々シイ顔二紅塗リ 歯ヲ診セテモット楽シイ オ遊ビヲ知ッテル下駄の底ト石畳の接吻
綺麗だね 3つ数え落ちる線香花火同じ体に生まれたかったのに借り物の感情も僕のものだからおんざらんずっと見てた君のこと不確かな在り方 消えてしまう毎朝この橋渡り終わった後の不甲斐なさ空想の真実に似て非なる妄想も遠く彼方だからもういいなんて言わないでよ
「今宵も月が綺麗ですね」と詠う赤い口紅の女が独り高嶺の花とは名ばかりで見窄らしい姿、誰も知らない狐に化かされた心は言の葉に乗せられてやがてあの世を舞うサトリは化粧を決して剥がさず自ら毒を呑んで笑うた
尾ッポ ソット隠シ白々シイ顔二紅塗リ 歯ヲ診セテモット楽シイ オ遊ビヲ知ッテル下駄の底ト石畳の接吻
知ってしまって散った色メキは死んだ天照らす は誰ぞ彼を呼べ カリソメの英雄不安で仕様がない浮世に浮かぶ 針の上チクチク刺して 蟻 処刑猫削 丸呑みボンボリが明かす長いヒゲアノ視線は 雌狐
誰か忘れ紐縛ったキツめ(メギツネ)そっと笑いずっと闇を見つめる(メギツネ)焦燥感にその甘い口付け(メギツネ)照りつける現実へ(メギツネ)
隠れて見てる松の木の影届きそうに思った頃気付いた枷どうにかなりそうな気持ちは何故揺れるたびに君は綺麗になって