Doll's Box
ほこりのつもった窓のしたできこえるすずの音とびらのむこうの笑い声があふれてくる
おきにいりの寝まきを着たぴかぴかのひとみ時計の針とにらめっこしてるとても うれしそうだね
祝福のそらに白いゆきが降りはじめたらあなたのもとへといいこにしててね 一年に一度きりしあわせが 届くよ
はじめて出会った朝のことはおぼえてないでしょすてきなドレスもばらの花もなかったけど
聞きじょうずなわたしはすぐにともだちになった言葉にしてつたえられないけどとても うれしかったの
はじめての冬はうでのなかでおそろいの髪かざりをねだったなまえをつけてね やさしい声でずっと呼んでいて ほしいな
大切なひとからプレゼント去年よりもずっと大きいねリボンをほどくたびにあなたの顔でちょっぴり不安になるの
いつかはあなたも歳をとってしわくちゃな手でわたしを抱いてねさいごのときまで そばにいられるだけでそれだけで
人形は箱のなかでいつもあなたのことを思い出しているあなたでよかった こんなに愛してくれて本当に ありがとう